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KATSUYA KUBOKAWA

窪川 勝哉(インテリアスタイリスト)

COLOR On
暮らしに色と、明るさを

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COLOR On
暮らしに色と、明るさを

COLOR On
暮らしに色と、明るさを

日々の暮らしにちょっとした変化を取り入れて、私たちの日常を明るくしたり、もっと愛着のわくものにしてみたいーお家時間も長くなる昨今、「空気をデザイン」することをブランドフィロソフィーに掲げるcadoが蔦屋家電プラスとコラボレーションし、ユーザーの皆さまの投票に基づいて製品を完成させるプロジェクトをお届けします。
cadoの主力アイテムである空気清浄機からLEAF250のボディカラーをこれまでにない4つの個性豊かなカラーで彩りました。最終的には、ユーザーの皆さまの投票に基づいて2つのカラーを製品化する予定です。

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今回、カラーコーディネート案を生み出してくれたのは、インテリアスタイリストの窪川勝哉さんです。
窪川さんは、インテリアのみならず、家電はもちろん、車やステーショナリーなどのプロダクト全般に造詣が深く、有名無名を問わず様々なものを組み合わせながら、遊び心溢れる心地よい空間を生み出すスペシャリストです。
窪川さんが提案するのは合計4色のパネル展開。どの色も、それぞれの在り方をもって空間を彩ってくれる、これまでの家電にはない特別なものばかりです。空間に色を添え、暮らしを明るくする知恵が、このカラーコーディネートの背景には存在しています。窪川さんにそれぞれのカラーのストーリー、空間への取り入れ方、そして、空気をデザインすることで生まれる空間の質感について聞きました。

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「他では見たことがないような雰囲気をもつ家電を作ってみたかった」と話す窪川さん。

「空気清浄機は、今のライフスタイルにはもはや欠かせないアイテムになりつつありますよね。今まで無かった機能が生活に足されて、暮らしが豊かになっていくという新しいフェーズが生まれています。

ただ、それを家にプラスすると、家のなかのものの総量はどんどん増えていくわけで、ひとつひとつが主張し過ぎると、なんだかとてもうるさい空間になってしまいますよね(笑) かたや、せっかく買うのだったら、無難なものを揃えるよりも、衝動的に“こんなプロダクトがあったら良いな、欲しい!” と思ってもらえるようなものを用意したい。

空気清浄機として単体で見ても素晴らしいし、それでいて、空間にも色々な作用を与えつつ、それがあることで空気感が良くなるような、そんなカラーコーディネートを考えてみました。」

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ファッションのトレンドともリンクするように展開されるインテリアのトレンド―そうしたトレンドを意識しながら、LEAF250を通して空間をどういう風に仕立てることができるのか? 窪川さんが考えたのは、空間のなかでのコントラストの作り方が分かれる濃いカラーから2つ、淡いカラーから2つの合計4つのアイデアです。

「家電にこんな色があるのだなと思わせるのがコバルトブルーとディープレッド。実際にこんな色の家電製品って見たことないですよね。とても良い色に仕上がっているので、衝動買いして欲しい(笑) 既にたくさんのものがあるなかに空気清浄機を新しく置くなら、セージグリーンとトープも良いと思います。この2カラーも家電ではありそうでなかったものだし、日本の家の空間感にも自然と溶け込むと思いますよ。」

空間にアクセントに効かせる―例えば、白シャツに巻物をするとか、スーツに靴の色だけアクセントカラー用いたりするような―カラーが、コバルトブルーとディープレッドの2つ。そして、最近のインテリアのトレンドでもあるモルタル系の低彩度の空間のなかで、無理なく馴染むようなカラーとしてあるのが、トープとセージグリーンの2つ。いずれのカラーも個性が際立ちながら、洗練された佇まいを帯びています。 インテリアとしてどのようにコーディネートすると良いか、それぞれのカラーごとの特徴を着想源とともに窪川さんがレクチャーをしてくれました。

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コバルトブルー
「空気清浄機ということで、清涼感、清潔感を意識したときに思い浮かんだのが、グリーン系のセージグリーンとともに、このコバルトブルーでした。セージグリーンは淡いトーンですが、このコバルトブルーは力強く深い色にしました。空間のなかでアクセント的に用いてみたい色ですね。
白やモルタル系の家にも合うと思いますし、僕の家のようなヴィンテージ寄りの茶系の色が主軸の家にも実はよく合うのです。色相環から見ても補色の組み合わせなので、相性は良いのですよ。イタリアファッションの定番でアズーロ・エ・マローネという茶とブルーを組み合わせたコーディネートがあるのですが、そういうイメージで置いても素敵だと思います。」

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ディープレッド
「コバルトブルーとともに空間のアクセントにある強めの色として、深みのある赤のディープレッドも面白い色です。ヴィンテージ家具の色には赤の要素も含まれているので、相性も良い。ヴィンテージ系の家やそうした家具が多い空間は、家電が浮きがちなのですが、このディープレッドならしっくり合うと思います。
とはいえ、グレースケールの空間でも良いアクセントになるだろうなとも思います。空間にほどよく馴染みつつ良いアクセントになる、そんな色がディープレッドです。」

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トープ
「トープはどのような空間にもすっと馴染んでいくカラーです。トープには、ブラウン系の要素とグレーの要素の2つがあるのですね。茶色がかったグレーとか、グレーがかった茶色とか言われる色です。エルメスのバッグなどでも多用される色で、人気のあるカラーなんですよ。インテリアデザインで最近のトレンドでもあるモルタル系の低彩度の雰囲気とも相性が良いのです。受け入れやすい色とも言えるかもしれませんね。
モノトーンやナチュラルな空間で、この空気清浄機のようなサイズ感のトープの色が入ると、例えば、ファッションでモノトーンのコーディネートにトープが入ると雰囲気が一気に洗練されるように、空間のなかにアクセント的に用いることができるのではないかなと思います。LEAF250のサイズは、日本の住宅の面積やサイズ感の比率からみても、良い感じにフィットするはずです。」

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セージグリーン
「トープと同じくモルタル系の低彩度のインテリアにもナチュラル系のインテリアとも相性が良いのがセージグリーンです。グリーン系のカラーですので、清潔感もあって、観葉植物のように癒やしをもたらす色とも言えますね。さらに、セージグリーンはグリーンのなかでも低彩度でくすみのある色なので、よりインテリアにも取り入れやすい。空間によく馴染む色になったと思います。ナチュラルな色合いの床の上に置いたりするととても良く合うものでもありますよ。」

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LEAF250は、コンパクトなサイズ感ながら広い部屋での使用も可能なパワフルなモデル。「このサイズだからこそ選ぶことのできたカラーだった」と窪川さんは付け加えます。どのカラーも部屋の広さに関わらず、コーディネートを楽しむことができそうですが、今回のプロジェクト「COLOR on」の醍醐味についてもこう話してくれました。

「コンパクトなサイズだからこそ色で攻めることが出来るんです。例えば、極端な話ですけど、これが冷蔵庫のようなサイズだったら、コバルトブルーとかディープレッドみたいな色だと “うーん、結構難易度高いよね” って感じだと思います。

先ほど各カラーの特徴を説明したときに既にお気づきかもしれませんが、それぞれ個性はありますけど、実はどのような空間に置いてもらってもどれも良い感じになるんです。それは各カラーの色合いとこの気軽に空間にプラスできるサイズ感がちょうどマッチしたということもあります。それに、4つのカラーそれぞれの個性がありながら、基本的にはメリハリの付いた色合いです。昼間の自然光のもとでも、夜間に照明の下に置いても、綺麗な存在感を発揮してくれると思いますよ。」

「今回のプロジェクトで生まれた製品たちは、ファッション小物に色物を足すような感覚で、空間にアクセントとして用いることが気軽にできることも醍醐味です。スニーカーやバッグだと何色も持っている人も多いと思います。家電に関しても従来のような色味のものばかりではなく、この機会に色々なカラーで遊んでみてもらいたいですね。 空間や気分によってパネルを変えられるわけですから、是非そのような感覚でトライしてもらえればと思います。」

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「空気をデザインする」というcadoのブランドフィロソフィーについて、窪川さんは今回のプロジェクトを通じてどのように感じたのでしょうか? 「空気」が人や暮らしにどのようなものをもたらしてくれるのか、窪川さんは最後にこう語ってくれました。

「空気やそれから水などは、人の暮らしと命にエッセンシャルなことなので、とても大切にしたいことですね。例えば、光とか音、香りもインテリアのなかではすごく重要な要素になります。そのどれもが、空間全体に影響を与えるんです。照明ひとつで部屋の雰囲気は変わりますし、香りひとつで印象は変わる。かかっている音もそうです。無音になったら部屋のなかで緊張感が走ったりもします。そのどの要素もが人に返ってきて影響を与えているのだと思います。 空気も同じように部屋のなかで、人のまわりを漂っています。決して目に見えることもなく、聴覚や嗅覚などで感じることもできないものですが、そこに気を配ってあげるということはとても重要なことだと思います。」

窪川 勝哉|Katsuya Kubokawa
窪川 勝哉|Katsuya Kubokawa

山梨県出身 インテリアのみならず車や家電、ステーショナリーなどプロダクト全般に造詣が深いインテリアスタイリスト。バンタンデザイン研究所インテリア学部在学中より空間プランナー赤松珠抄子氏に師事し、インテリアスタイリストの道へ。2002独立し、小道具や撮影背景のスタイリングを担うインテリア&プロップスタイリストとして、テレビ番組などのインテリアコーナーや、雑誌のインテリアページのスタイリングを手がける。そして雑誌、TV等のメディアでのスタイリングだけでなく、ウィンドウディスプレイやマンションのモデルルーム、イベントのデコレーションなども手がける。2011年渡英。1年半の英国滞在を終え、2013年より再び拠点をロンドンから東京に移し活躍中。東洋大学ライフデザイン学部非常勤講師

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